【コラム】実例から見る中国人との距離感~中国での「郷に入っては郷に従え」のボーダーライン~

中国から伝わってきた「郷に入っては郷に従え」ということわざがあります。中国語では「入乡随俗」と言いますが、実際に中国でビジネスをするにあたってはどこまで入っていくことができるのでしょうか?今回は中国のビジネスにおける実例から中国人との距離感を見ていきましょう。

中国で10年、現地採用社員として働いてきたライター・さんせんが実体験に基づいて分析します。

中国語は学んでおいて損はない

中国でビジネスをするにあたって、必ず身に着けておいた方がいいスキルは中国語です。現地採用の社員はもちろんのこと、駐在員として中国に赴任する際も日常会話程度は中国語ができるといいでしょう。会社には通訳や日本語ができる社員が多くいますが、現場や工場のスタッフなど、実際にプレーヤーとなる人たちともコミュニケーションをとることで、より円滑に仕事が進むことがあります。

中国の上海などの都市では、日本人街や日系企業のビジネスエリアがあり、日本語または英語のみで生活することもできます。仕事相手も日本人相手がほとんどなので、中国語は必要ないように思えるでしょう。しかし、中国の会社は人同士のコミュニケーションやコネクションも非常に大事だとされています。

中国人は一度仲良くとなると、とことん親身になってくれます。それはビジネスにおいても同じです。積極的にコミュニケーションをとることによって、中国のビジネスはより円滑になると考えます。

高圧的な態度はNG!中国はメンツが大事

中国で仕事をするうえで気を付けたいのが、「高圧的な態度で接する」ことです。日本人が中国で仕事をするにあたり、肩書や責任も重くなります。また、その会社の専門知識やスキルも高いため、ついつい中国人スタッフや同僚に上から目線で指導してしまうこともあります。

中国で部下を注意するときに気を付けたいのが、他の社員がいる前で叱責や指摘をするのは絶対にやめた方がいいでしょう。中国人はメンツを非常に大事にします。以前、ある日本人社員が中国人の部下が用意した書類に不備があり、そのことを顧客の前で叱責しました。その際、中国人の部下は激しく反発し、喧嘩のようになってしまったそうです。日本人社員がその旨を中国人上司に報告すると、たとえ部下の仕事にミスがあったとしても、顧客の前で叱責した日本人社員が悪いと言われたそうです。

こうした場合の正しい対応は、部下と二人の時に指摘するか、中国人上司や部下が信頼をしている人に相談し、ともに解決策を練るなどすれば、少なくとも喧嘩にはならずに済んだことでしょう。どちらにせよ、この件は同僚や顧客がいる前で叱責してしまったことで部下ならず会社全体のメンツを潰してしまったということで、日本人社員が悪いという結果になってしまいました。

馴染み過ぎもNG!オンとオフの区別はしっかりと

それでは、現地に馴染んでいれば中国でのビジネス成功するのでしょうか?実際はそううまくはいかないようです。

ある会社のビジネスの失敗例を見ていきましょう。とある商社の日本人社員が通訳と一緒に地方企業に営業に行ったときのことです。応接室に通されて地方企業の社長が「どうぞ!」とキュウリや果物を勧めてきたそうです。日本人社員は「断ったら悪いかな」と思い、勧められるがままに果物やキュウリなどを食べながら商談を続けました。

商談からの帰り道に、同行した通訳から「食べながら商談はマナーが悪いです。また、なんでも言うことを聞くと相手企業から軽く見られると思います。」と注意を受けたそうです。そのせいなのかは分かりませんが結果的に商談はまとまりませんでした。

ここで気を付けておきたいことは、いくら現地に馴染んでも仕事の時はきっちりとした姿勢で臨むということです。現地スタッフや現地企業とのコミュニケーションは大事ですが、あまりに馴染み過ぎてしまうのも考え物です。中国ビジネスでは、オンとオフのバランスを考えながらコミュニケーションをとりましょう!

コミュニケーションもオンとオフの切り替えが大事

中国の現地社員とのコミュケーションはオンとオフでメリハリをつけることで、ビジネス自体が円滑に進みます。大事なのは、相手のメンツを大事にしながらもきちんと日本の立場から仕事について伝えていくことが大事だといえます。

コミュニケーションをとる際に、中国語があまりできなくても問題ありません。あいさつなど、積極的に現地社員と交流をすることでビジネスにおける新たな気付きやアイデアが浮かぶこともあるので、ぜひそのチャンスを大事にしましょう。

「入乡随俗(郷に入っては郷に従え)」は中国において非常に大事ですが、入り込みすぎてもうまくいきません。ビジネスにおいてオンとオフの区別をつけて、現地社員と信頼関係を築くことが重要です。

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執筆:さんせん
【プロフィール】
北京と上海の2都市で日本人向けの広告雑誌の編集者として、約5年間、特集の企画や取材、編集を担当。得意分野はグルメ、トレンド、エンタメ。現在は山梨県在住で、山梨県関係のツーリズム・グルメに関するライティングや取材を中心に活動中。
ツイッター:https://twitter.com/sansen_koshu

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