【コラム】アフターコロナの中国で成功する秘訣は「井戸を堀った人」になること

新型コロナウイルスの流行により、大幅に冷え込んでしまった世界経済。しかし、流行の終息と共に、世界のビジネスの流れが大きく変わろうとしています。

この記事では、中国滞在経験のあるライターのBILLIKENが、アフターコロナの日中ビジネスの在り方について解説します。

世界の嫌われ者になってしまった中国

新型コロナウイルスの感染流行が、全世界で猛威をふるっていた昨今。5月25日時点のWHOの公表数値によると、全世界での累計感染者数は約530万人に達しており、死者数は約34万人となりました。

アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染流行は中国の武漢を起点としていると公言しており、世界の多くの国々もアメリカに追随する主張を強めています。そのため、公衆衛生リスクを防止する観点から、主要国の一部のなかには、中国からのビジネス撤退を検討する国が現れています。

「井戸を掘った人を忘れない」中国

現状、中国は国際経済のなかにおいて苦境に立たされています。しかし、中国向けにビジネスを行うにあたっては、むしろ好機到来といえる状況が生まれているのです。その理由は、中国には「井戸を掘った人を忘れない」という文化があるためです。この言葉の意味は、「井戸の水を飲むときには、井戸を掘った人の苦労を思え」というもの。

その代表的な人物が、日中平和友好条約の締結に尽力した田中角栄元首相で、中国政府からは「井戸を掘った人」として高く評価されています。田中角栄は、日本国内で刑事被告人となってからも、中国では長らく厚遇されています。

日本はすでに「井戸を堀った人」になりつつある

新型コロナウイルスの感染流行を世界中に広めてしまったという汚名を着せられてしまった中国。しかし、ビジネス面で中国に打って出ることは、「井戸を掘る人」になりうるチャンスだと言えるのです。事実、中国と長年ビジネスをしている日本は、現在も中国から「井戸を掘った人」の扱いを受けています。

その理由は、中国国内で新型コロナウイルスの感染流行が始まった際、世界に先駆けて中国に大量のマスクを寄付したり、消毒液を送ったりした国こそが日本だったのです。多くの中国人は、こうした日本の行為に強い感謝を示しています。

ピンチの中国で日本企業がするべきこと

現在、中国政府や中国企業が心配していることは、貿易が大幅に停滞していることです。中国企業の中には、日本から製品を輸入して、中国国内で販売している会社が多数あります。現在のように貿易が停滞している状態が続くと、そうした会社が倒産してしまう可能性が高くなります。

そうした場合、日本政府や日本国内の輸出業者がすべきことは何でしょうか?それは、一定の公衆衛生管理基準を定め、それらをクリアした製品については順次、中国への輸出再開をすることが重要だと考えます。それにより、日本は中国にとってかけがえのない「井戸を掘った人」となるに違いありません。

アフターコロナを見据えたアクションが大事!

中国人民から中国政府に至るまで、今回の新型コロナウイルスの感染流行によって中国から日本企業が撤退してしまうのではないか、と心配しています。日本同様、中国国内でも新型コロナウイルスの影響で失業者が増加しています。日本の製造業が中国国内の工場を閉鎖し、日本国内に工場を移転させることにより、中国の失業率はさらに高まってしまいます。

中国の失業率が高まるということは、治安が悪化することになりかねないという観方があります。そうした観点から、日本企業は中国から撤退しないという意思表示を示すことも重要であり、その意思表示こそが「井戸を掘った人」となる好機といえます。「井戸を掘った人」となった日本企業は、世界的な新型コロナウイルスの感染流行が収束した後に、中国との貿易や中国国内でのビジネス展開において優遇されることは間違いないと思われます。日本企業には、先を見据えた意思表示が求められています。

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執筆:BILLIKEN

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