新型コロナウイルスは、世界で300万人以上が感染しており、すでに20万人以上の命を奪いました。このパンデミックにより、世界の市場にも大きな変化が起きています。
この記事では、中国滞在経験のあるライターのBILLIKENが、変わりゆく世界の市場について解説します。
新型コロナウイルスの拡大で変わりゆく世界
中国・武漢から感染拡大が広がった新型コロナウイルス。このウイルスは全く自覚症状持たない人が、知らないうちに感染を広げる可能性があります。そのため、感染拡大が続く各国では都市封鎖が起こりました。日本においては、外出自粛など比較的ソフトな措置で済みましたが、接触機会減らす「新しい生活様式」は世界中に大きな影響を与えています。
こうした都市封鎖や自粛行動は、今や世界各国の経済に大きな影響をもたらしました。まず、中国の1~3月期のGDPはマイナス6.8%に。また、アメリカの第一四半期はマイナス4.8%と、世界的に経済成長率が下降して、第二四半期はさらに落ち込むことが確実とされています。アメリカの失業保険申請者数は8週間で3600万人を超え、大恐慌以上の経済的混乱が予想されます。
グローバル化がパンデミックの引き金に
今回の新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの一因に、中国のグローバル化が挙げられます。中国の発展と共に、人や物が国境越えて世界中に移動しています。こうしたグローバル化は世界経済を1つに結び、TPPを始め、さまざまな自由貿易協定が結ばれ、効率的な生産拠点として中国は急速に発展しました。
しかし、新型コロナウイルス蔓延により、中国を始めとする世界各国では、一種の鎖国状態が求められるようになりました。この状態は長く続くことが予想されることでしょう。
生産拠点を中国に依存してきた代償
今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクや医療機器など、人の命守る製品にも注目が集まりました。そして、これまでは中国を生産拠点としてそれらの商品を製造していましたが、今回のパンデミックで、根底から見直す時期が来たようです。
グローバル化により、世界が1つの大きな市場になったことで、皮肉にもマスク争奪戦起きてしまいました。感染症対策に不可欠な医療防護具の生産も、中国に依存してきた国など、深刻な物資不足に悩まされています。
重要な物資は内製化する動きが活発に
人の命に関わる感染症は安全保障に準じて、国家存亡にかかわる問題だということが今回のコロナ禍で浮き彫りになりました。世界中では、こうした危機に直面した今、マスクや医療機器を自国で賄わなければいけないという段階まで来ています。
これまで、製造拠点=中国という世界の動きが、今変わりつつあるのかもしれません。
執筆:BILLIKEN
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