【コラム】アフターコロナからのV字回復のカギは「官民連携」

一時期、好調に見えていた中国インバウンドの日本観光ですが、この度の新型コロナウイルスの影響で状況が悪化し、政府主導の観光イベントなども軒並み中止になっています。

本記事では、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが、これからの日本と中国の関係について考察します。

インバウンドの中核を担っていた中国

以前、仕事で日本のとある企業ミュージアムの取材を行った際、肌で感じたのがビジネス・観光共に中国のニーズは非常に高いということでした。海外からの来場者のうち、実に80%もが中国からの顧客が占めていました。

また、ビジネス要素を含む施設であったため、日本の観光地で問題になっている「中国人独特のマナーの悪さ」も見られず、むしろ日本企業の経営ノウハウや成功事例を積極的に学ぼうとする中国の若者の姿に日本の現場スタッフも感心しているほどでした。こうした企業見学を含む旅行形態の事をテクノロジーツーリズムと呼ぶようで、新型コロナウイルスの流行前に注目されているツーリズムのひとつでした。

高まる中国人観光客の意識と観光地の変化

中国からの一般的な観光客の意識も年々高まりつつあるようで、日本の文化を学んだり、日本のビジネスや社会について興味を持って訪問する人が増えつつあったそうです。そのため、日本の観光地の多くは中華圏全体に対応できるよう、簡体、繁体のいずれも対応できるような体制を整えているところが多くあります。

私が取材した企業ミュージアムも中華圏への対応を完備しており、人材についても多言語でビジネスの対応が可能な研修を施したスタッフ雇用するなどの投資を行っていました。企業における人材への投資は、今後のビジネスに繋げる意図もあるため、かなり力を注いでいる印象を受けました。また、インバウンドへの投資は人材だけではなく、施設の展示も含めて行っていました。聞くところによると、施設のパンフレット等の需要は、日本語よりも中国語の方が高かったようです。

投資を無駄にしないよう「官民連携」が必須

それ程までに中国からのインバウンドへ投資した施設は、私が取材した企業ミュージアム以外にも日本に無数にあることでしょう。しかし、この度の新型コロナウイルスの影響で、中国からのインバウンドがほぼゼロに近い状態になり、これまでの投資が回収できないほどにダメージを受けています。

日本企業のこうしたダメージを修復するには、もはや官民が連携して新型コロナウィルス終息後の対策を講じなければなりません。中国と日本の行き来が回復すれば、観光だけでなく、ビジネス面でも日中交流が盛んになるよう、まずは政府が中心となって積極的に交流の場を設けるべきではないかと考えます。

ピーク時から比べると99%の減少となったインバウンド需要。その中でかなり高い比率を占める中国からのインバウンドが戻ってこないことには、これからの日本のビジネスや観光において、明るい兆しは見えません。新型コロナウイルスの終息後、いわゆるアフターコロナからのV字回復を目指すためには、官民一帯の連携が重要になってくるのではないでしょうか?

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執筆:BILLIKEN

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