中国へ機械関係の輸出を行う際に、避けて通れないのが3C認証です。経験した人からは「地獄の道」と言われる3C認証。
一体どのような点が「地獄」なのでしょうか?中国滞在経験があるライターBILLIKENが、3C認証についてまとめています。
3C認証は取得までが難しい
3C認証とは、正式には「中国強制認証(CCC認証)制度」のことを指します。簡単に言うと「この製品は人にも国家にも安全です」という証明のことです。この3C認証は、かなり厳しく規定されており、通電を要する製品にはまず必要だと思っていいでしょう。つまり、電気を使用する製品において、3C認証を取得していないと通関が出来ません。
そして、この3C認証は、取得することが非常に大変な認証です。流れとしては、資料提出、検査(検査機関に依頼)、工場監査を経て取得が可能ですが、その後も定期的に監査が来るので、中国国内の工場ですら苦労しているようです。
3C認証は「中国国内で販売する事」が前提であるため、加工貿易であったり、部品として輸出して現地の認定工場で組み立てする場合などは免除される場合があります。しかし、そうしたいわゆる裏技を向こうから教えることは滅多にありません。ほとんど場合が、企業が調べて、再三の確認をしなければならない点も、「3C認証が難しい」と言われる所以かもしれません。
複雑な中国ルール
中国貿易はとにかく規定が多く、細かいことで有名です。また、その内容も頻繁に変更されるため、より複雑です。そのため、時には通関の現場ですら変化に対応しきれず、北京ではOKだが上海ではNGというように、中国国内でも差が出る事もあります。
また、信じられないかもしれませんが、規定なども担当者によって変わる場合もあります。こうした点は、規定というよりも運に近いものがあるでしょう。向上によっては、その日にいつもの担当者が休みで、別の人が応対し、その人が非常に厳しく、書類がやり直しになる…など、日本ではあまり考えられないケースもあるようです。最近では、ITシステムが整えられ、そのようなことはあまりないようですが、3C認証の取得が困難な点は、現在も共通しています。
コロナ禍でも成長している分野とは?
世界的なコロナ禍で冷え込んでいる貿易ですが、中国では、国家プロジェクトとして取り組んでいる電気自動車や、ハイブリッド車の分野が伸びていく見込みがあるようです。中国ではこの2つの累積販売台数は、コロナ禍でも順調に成長しており、水素燃料電池自動車なども、地方自治体メインで進めていく方向なのだそう。
水素ステーション等大型の物や施設に関しては、現地の企業が圧倒的に強いため、小さな企業は入っていけないかもしれませんが、車の買い替え需要は高まる傾向にあります。そうなると、車の部品やカーアクセサリなどの分野の成長が見込まれるため、カーアイテムの輸出が今後の狙い目になってくるでしょう。
認証と同時に新たなニーズを見つけよう!
中国にはさまざまなな貿易規定がありますが、中でも機械類は通関が難しい物の一つです。しかし、時代に沿って新しいニーズが次々と出てくるため、とても面白く、大きな利益が見込める分野でもあります。3C認証は大変かもしれませんが、取得できると大きな利益に繋がるかもしれません。コロナ禍でも成長を続ける中国の次のニーズを狙って、ぜひ多角的な戦略を練ってみましょう!
執筆:BILLIKEN
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