【コラム】「幻想は抱かない――」バイデン政権における米中貿易

貿易やハイテク覇権をめぐり、アメリカと緊張関係にある中国の企業。新しく就任したバイデン大統領が、引き続き強硬姿勢で中国に向き合うと予想され、中国は危機感を募らせています。こうした背景には、トランプ前大統領の就任後に定着した根深い不安があります。

この記事では、中国滞在経験のあるライターBILLIKENが、バイデン政権移行後の中国企業の見解についてまとめています。

アメリカの対中強硬姿勢は続く見通し

アメリカでは、中国製品に対する巨額の追加関税に加え、ハイテクや投資をめぐる厳しい制限が、今後も続く見通しだ――。これはアメリカメディアが、アメリカの大統領選挙後の数日間に中国製造業幹部に取材したの最新の予見です。

しかし、中国国内ではこうした予見を見据えた上で、なお「新たな市場を探すことはやめない」という動きが顕著です。中国の製造業は、トランプ政権次代に追加関税による打撃を受けており、非常に厳しい状況に直面しています。そうしたなか、習近平国家主席は国内消費と技術革新を目指し、2035年までに中国経済の規模を2倍にするという長期目標を示しました。

中国は国内を見据えた政策に転換?

習主席の経済目標に、アメリカが今後どのように動くかに注目が集まっています。バイデン大統領は、選挙活動中においては対中政策に関して具体的な言及を避けていましたが、遊説では中国政府の香港での行動を非難。また、新疆ウイグル自治区に対する政策に対し「良心に照らして受け入れ難い」と語り、習主席を「悪党」呼びしたことも。そのため、一部の専門家の間では、アメリカは今後もトランプ政権の追加関税やハイテク規制の政策を破棄するのではなく、調整程度に留まる程度だと予測されています。

また、バイデン大統領は同盟国の支持を取り付け、多国間で対中圧力を進める公算が大きいという見方もあります。これは中国の輸出企業にとって、先行きの不透明感が一段と強まる動きでしょう。また、中国でビジネスを展開する外国企業の業務も複雑化しかねません。

新政権でも「幻想は抱かない」中国の本音

バイデン大統領に移行しても、アメリカの対中貿易は厳しいと言われています。中国国内でも同様の認識で、多くの企業は「バイデン政権への移行で、幾分かの政策変更があればいいが、幻想は抱いていない」という見解が多いようです。

一時期白熱していた米中貿易ですが、新たな動きはアメリカ国内が落ち着いてから始まることでしょう。引き続き、米中貿易の動きは注視して行く必要があると言えます。

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執筆:BILLIKEN

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