【コラム】5年ぶりの党大会から見えてきた中国の今

日本国内は全国旅行割などの普及により、旅行ニーズが回復しています。また、入国規制緩和により、海外からの旅行客も回復の兆しを見せています。一方、中国は日韓のビザを規制するなど、世界から少し遅れた状況だと言えるでしょう。

この記事では、現在の中国の動きと5年ぶりに開催された共産党大会を受けての中国の動きについて、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが考察します。

愛国心を育てたい中国

2022年の10月、中国の最高指導機関である中国共産党の会議・中国共産党大会が5年ぶりに開催されました。共産党大会では、中国のこれからの動向の指針が発表されるため、世界中からも多くの注目を集めました。中国共産党は、社会主義における資本経済発展に限界を感じつつ、それを認められないジレンマを抱えてます。

そのため、時代をなぞるような動きがじわじわと広がっているようです。例えば、2004年に中国政府によって打ち出されたレッドツーリズムと呼ばれるツアー。中国国内の革命聖地を巡るといったもので、学生など若年層に向けてPRされていました。主な行程は、中国共産党の歴史に関する場所の見学や、革命の歴史を学ぶといったものが中心のようで、愛国精神を養うといったものでした。

まずは政権維持が課題に

現在の中国が抱えてる問題として、ゼロコロナ政策による行き過ぎた行動制限への国民感情があります。これにより、国家権力との間に軋轢が生まれ、習政権の求心力が急激に弱まり、政権批判が相次いでいるようです。これ以上、習政権がコロナ政策を進めれば、今後は大きい暴動に発展するかもしれません。実際にいくつかのデモが強行され、それらが習政権に大きいダメージを与えたことは間違いないでしょう。

そして、こうした国民感情を無視できない状況に立たされてる共産党は、2023年にはゼロコロナ政策から脱却しました。しかし、気になる観光については、党大会では言及されず、現時点では日韓のビザに制限をかけるなど、未だ混迷が続いています。中国としては、まず国内の政権維持を前提とした政策方針になるでしょう。海外へ目を向けるのは、国内が落ち着きを取り戻してからになりそうです。

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