【コラム】少子高齢化社会でぶつかる中国独特の「人材不足」問題

中国は今、未曽有の超高齢化社会を迎えています。中国民政部は、2021〜2025年の間に、60歳以上の人口が3億人を超えることを明らかにしました。

この記事では、少子高齢化社会を迎える中国の人材市場について、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが考察します。

ひっ迫する介護市場人材

中国の60歳以上の高齢者の数は、2023年時点で2億人に迫る勢いであることがわかっています。さらに、要介護者数は正式な発表ではありませんが、推定で4,000万人はいると言われていますが、ヘルパーの数は約30万人ほどとひっ迫状態です。

ヘルパーが不足している理由は、日本の現状と同様です。労働環境が大変なのにもかかわらず、賃金は他の仕事と比べても低賃金。このような状況では、介護分野で働きたいと思う人が増えるわけがありません。事実、中国の介護市場で働いている人は40〜50代が多く若者が不足しているのが現状です。今の中国の若者達は、一人っ子政策で生まれた世代です。彼らは「小皇帝」と呼ばれ、甘やかされた世代でもあるため、待遇が良くないうえ、過酷な仕事の介護職を敬遠する人の方が多いでしょう。

中国の要介護者の数は、これからますます増えていきますが、ヘルパー人材は圧倒的に足りなくなってきます。こうした状況を打破するためには、まず中国政府が動くことが大切でしょう。中国政府はトップダウン方式であるため、トップの意見が絶対です。その政府が介護の人材不足の問題に着手しなければ、いくら民間で人材不足を解消しようとも限界があるでしょう。そのため、これからは中国政府が積極的に介護市場に入り、真剣に取り組み、人材の待遇を改善する政策が求められます。

人をサポートするテクノロジーがカギ

いずれにしても、中国の介護市場はこれからどんどん大きくなっていくことは間違いありません。人材不足の問題は、いくら中国政府の政策が変わったとしても、すぐに解決することは難しいでしょう。

そのため、介護の人材不足を補うためにはテクノロジーを活かすことが重要です。これからはインターネットを活かすことがさらに求められることでしょう。最近では、生活でもどんどんインターネットが活用され、IoTが導入されています。また、すでに介護の現場でも見守り型のIoTシステムが導入されており、要介護者をサポートしています。遠隔での見守りや家電の遠隔操作など、要介護者が快適に施設で過ごせる技術がいくつも導入されています。人材不足の解消に取り組む活動はもちろんのことですが、企業としては人材不足を補うためのIoT技術を開発していくことが、企業の発展ならびに中国の介護人材不足を補う手助けとなるはずです。少子高齢化社会の先駆けの日本としても、中国の今後の介護人材市場、そして企業の在り方に注目していくべきではないでしょうか。

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