長いコロナ禍を経て、中国の若い経営者の考え方に大きな変化がありました。その考え方が、今後の中国の経済にどう役立って行くのでしょうか?
この記事では、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが、これからの中国ビジネスの在り方について考察します。
変わりつつある中国のビジョン
中国の経営者、特に若い層の思想に大きな変化が訪れています。これまでは、”稼ぐ”ことを念頭にビジネスを展開してきました。しかし、今では「自らのビジネスによってより良い中国を創る」という大きなビジョンを持っています。そうしたなか、これからの中国の社会課題となるのが少子高齢化。そこで注目されているのが、介護市場です。これからは、介護市場をいかに「中国のために」創り上げていくかが課題になってきます。
日本は先進国において、少子高齢化・介護市場でトップランナーだと言えます。それにつづくのが中国です。なおかつ、中国の市場の規模を鑑みると、10〜20年後には日本よりも大きく、深刻な社会課題として浮き彫りになることは言うまでもありません。また、思う一つの大きな問題は人材不足なのです。日本では、介護市場の現場で働くことに対して、モチベーションや給与の観点から、多くの人材が集まらないという課題がありますが、中国も童謡です。この問題は、単純に賃金を上げただけでは解決は難しいでしょう。
日本のこうした課題から、中国はこれからどうすればよいのでしょうか?介護市場が社会のインフラに大きな影響を与えかねない中国としては、少子高齢化の先進国である日本と手に手を取って解決を図るべきではないでしょうか?
日本と中国で介護市場を切り拓くには?
まずは、BtoBとしてのメリットを生み出すことが重要です。なかでも、ロボティクス市場が非常に有益となるでしょう。また、介護施設については、規模によっていくつかのモデルケースを策定し、自治体や政府に提案する姿勢が重要です。これはもちろん、他の国でも通用することではないでしょうか?
介護市場で何よりも重要なのは人材です。生身の人と人の対話があってこそ、介護市場は成立するということを日本はこれまでの経験から理解しています。また、今後はワーカーの高齢化することを想定し、ロボティクスで支援するツールの開発や、介護施設のビジネススキームの作成、さらには海外からの人材を有効活用するためにビザの発行の緩和や助成金を手配するといった試みを、日本と中国で先行して生み出すことが重要ではないかと考えます。
ここで協力体制をとることができれば、同様のビジネスモデルを東南アジアや中南米、北米、欧州などに今後展開することができるでしょう。これにより、介護はよりグローバルなビジネスに結びつくと考えられるでしょう。また、人材育成も世界ベースで考えていけば、日本と中国を起点に、あらゆるエリアに派遣・貢献できるかもしれません。こうした、大きなビジョンを持って連携することによって、お互いの国の社会課題の解決、ビジネス拡大に結び付く可能性を秘めています。
さまざまなビジネスにおいても、最終的には人と結びつくところがポイントです。こうしたビジネススタイルは、人との関係性を重んじる文化を持つ中国と日本だからこそ、伸びていく分野ではないでしょうか?