【コラム】中国から介護人材を調達?日本と中国の介護問題について

日本は、少子高齢化が進み、今後は介護問題がさらに深刻化していくでしょう。ひと昔前は、子が親の面倒を見るのが当たり前でしたが、今の若者は親を介護をする考えの人が少なくなっています。

この記事では、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが日本と中国の介護と人材育成について考察します。

深刻な介護人材不足を解消するために

日本では介護士不足が深刻になってきています。そこで、人口の多い中国から介護人材の調達や育成することが期待されていますが、実際のところはさまざまな問題があるようです。

まず挙げられるのが、文化の違いでしょう。中国人は自己主張が強い傾向にあるため、「察する」「空気を読む」という、日本独特の風習は難しいかもしれません。何かをして欲しい場合は、ハッキリとストレートに物事を伝えなくてはなりません。日本のように、「何も言われずとも、察して動く」ことはないため、異文化を知らない人は「気が利かない」と感じるでしょう。こうした考え方の違いは日常でさまざまな問題の火種になるかもしれません。

また、中国は広い国土を持つため、土地と農村部の社会構造、産業や経済活動が大きく異なります。さらに、民族間においても、文化や関係など、大きな違いがあります。特に地方においては、介護は家族でするものという意識があるため、介護士の存在は家政婦のように軽んじられてしまいます。中国では、日本のように家族の介護は家族がするものという意識が根強くあります。そのため、介護士の仕事がどのような仕事なのかをしっかりと認識していない可能性も否めません。

中国でも介護業界が人手不足に

日本での介護人材不足は以前より言われていましたが、実は中国においても、介護人材不足が深刻になっています。中国は、これまで一人っ子政策が行われていたため、高齢者に比べて若者が極端に少ないのが現状です。そのため、介護人材も必然的に不足してきます。中国の方が規模が大きい分、問題も深刻です。こうした状況の中、日本で介護をする人材を中国から確保できるのか、ということも考えなくてはいけません。もし、日本で介護人材を育成をしても、習得したらすぐに中国に帰ってしまう事も考えられます。

そのため、今後は中国・日本だけでなく、アジア全体で考えなくてはいけません。日本は介護先進国でもあるため、まず適切な人材を育成し、日本だけでなくアジア全体で介護者を育成するビジョンも必要です。中国と日本の介護業界が、これからのアジア全体の介護市場を牽引する日も、そう遠くはないかもしれません。

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