【コラム】ワンオペ&イクメンはありえない?中国の子育てはワンチーム

日本では小さな子どもの世話を母親が一人で担う「ワンオペ育児」が問題になっています。

私も現在1児の親ですが、我が家では中国式ワンチーム育児を採用しています。では、中国式ワンチーム育児とはどのようなものなのか、中国在住経験のあるライター・さんせんが解説します!

中国は共働き家庭が基本

中国人の家庭では夫婦共働きが基本です。専業主婦は非常に少なく、寿退職もありません。まれに、職場結婚である場合はどちらかが転職する場合もありますが、仕事を辞めることはあまりありません。


また、結婚後に子どもが出来た場合、基本は産休で退職することもほとんどありません。産後の職場復帰までは半年から1年以内と、女性は比較的早い段階で職場復帰を果たします。
産後、短い期間で速やかに職場復帰できるのは、中国ならではの背景があるからです。

祖父母の育児参加は当たり前

日本では女性が職場復帰するためには保育園を探したり、時短勤務を申請したりと、クリアしなければならない問題が山積みです。一方、中国では祖父母が活躍して、親世代の職場復帰を支えています。

中国では、親の親世代、つまり子どもにとって祖父母達が子どもの面倒をみています。都市部で生活している場合は故郷から祖父母を呼び寄せ同居したり、祖父母の家に子どもの預けたりして保育所代わりにしています。地方の場合は、祖父母の家に子どもを預けて出稼ぎに行き、年に数回だけ子どもと会う生活を送ります。また、頼るべき祖父母がいない場合は、アーイー(阿姨)と呼ばれるお手伝いさんを雇い、住み込みで育児をお願いします。アーイーは家事や炊事、さらには保育所の送迎や子育てなど、多岐にわたって家庭をサポートしています。

育てに寛容な「おせっかい」社会

中国は社会全体が子育てに寛容です。寛容というよりも、子どもや子育て世帯に対して、「おせっかい」な社会であると言えるでしょう。中国では子どもを連れていると、非常に多くの人に話しかけられます。「ミルクはちゃんと飲んでいるか?」「靴下をはかせないとダメだ!」など、見ず知らずの人でも声をかけてきます。


電車やバスに乗車する際も子ども連れにやさしく、荷物を持つのを手伝ったり、子どもに席を譲ったりとやさしいおせっかいが所々で見られます。
日本ではラッシュ時のベビーカーや子どもの鳴き声に苦情が来るようですが、中国ではそのようなことはあまり起こらないそうです。

中国にはワンオペとイクメンが少ない

日本では現在においても子育ては母親がメインで行っており、ワンオペ育児や孤育てという問題が散見されます。一方、中国では子育ては基本家族で行うのが一般的で、父親、両家祖父母、叔父叔母も積極的に子育てに参加します。


また、日本では子育てをする男性をイクメンと呼んでいますが、中国では男性の育児参加は当たり前のようです。父親達は炊事洗濯も積極的にこなし、子育てにも参加しています。そのため、中国は全員がイクメンであり、それゆえイクメンという言葉は存在しないそうです。

中国では基本的に子育ては家族がワンチームで行います。中国は家族の結びつきが強く、子育てという一つの目標に向かって全力で打ち込んでいる家庭が多いです。日本ではこうした体制の実現はなかなか難しいと思いますが、まずは中国のように子育ての負担を家族間でシェアしてみることから始めてみてはいかがでしょうか?子育てを家族で分担することによって、日本自体がより住みやすく、働きやすい社会になるのではないかと感じる今日この頃です。

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執筆:さんせん
【プロフィール】
北京と上海の2都市で日本人向けの広告雑誌の編集者として、約5年間、特集の企画や取材、編集を担当。得意分野はグルメ、トレンド、エンタメ。現在は山梨県在住で、山梨県関係のツーリズム・グルメに関するライティングや取材中心に活動中。
ツイッター:https://twitter.com/sansen_koshu

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