【コラム】中国における日本コンテンツの変遷

一昔前の中国では、日本のコンテンツというと海賊版がメインでした。しかし、近年ではインターネットを中心にコンテンツはリアルタイムで中国でも見られるようになりました。

この記事では、中国滞在経験のあるライター・BILLIKENが、中国における日本コンテンツの変遷について考察しています。

海賊版から正規コンテンツへ

2001年前後、中国において日本のコンテンツは「海賊版」がメインでした。この時期は、日本産のアニメや漫画が非正規のルートで普及していました。そして、皮肉にも日本のアニメ、漫画は人気を集め、一大ブームを生み出しました。

北京オリンピック、上海万博が終わった2012年頃から、中国での日本コンテンツ市場に少しづつ変化が訪れます。中国が日本のコンテンツの版権を「買う」選択肢が増え始めたのです。消費者も、次第にコンテンツを消費するようになり、日本のコンテンツは中国市場に進出するようになったのです。

2018年以降、日本のコンテンツは中国にすっかり定着しました。そして、次第に中国国内でも「日本のようなクオリティのアニメや漫画を作りたい!」という声が高まり、中国消費者に合わせたコンテンツ作りが盛んになりました。現在では、中国のコンテンツが日本に輸入されるようになりましたが、その基盤を作ったのは、かつての「海賊版」であるといえるでしょう。

中国市場に浸透する日本コンテンツ

漫画やアニメなどのコンテンツが充実してきた中国市場では、日本のコンテンツを中心とした商品展開も好調です。中国でもなじみのある「ドラえもん」は、漫画・アニメ・映画のヒットを基軸に、多種多様なアイテムが展開されました。また、中国では「火影忍者」として人気を博す「NARUTO」は、劇中に出てくる「一楽ラーメン」を再現したテーマショップをはじめ、SNSの公式アカウントやEC販売、多岐に渡って展開されています。

また、漫画・アニメから大規模なゲーム市場に展開しているのが、日本のクリエイタープロダクションTYPE-MOONが手掛ける「Fate」シリーズです。2006年のアニメ「Fate/stay night」から、中国で徐々に人気が出始め、中国でのコスプレの定番となりました。なかでも、2015年にリリースしたスマホゲーム「Fate/Grand Order」は、中国で395億円(2019年時点)相当の爆発的な売上を記録しました。

昨今の中国において、日本アニメは同じタイミングで配信されています。「鬼滅の刃」や 「SPY×FAMILY」「推しの子」といった人気コンテンツは、中国でも同じく人気を博しています。かつては海賊版でしか見られなかった日本のコンテンツですが、現在はれっきとしたコンテンツのひとつとして中国市場に浸透していると言っていいでしょう。

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