【コラム】インバウンド需要が消えた観光地の今

新型コロナウイルスの蔓延で、日本の観光地から外国人観光客の姿が消えてしまいました。インバウンドに力を注いできた観光地は、これからどうなってしまうのでしょうか?

この記事では、中国在住経験があるライター・さんせんが、インバウンド需要が消えた観光地の今をレポートします。

外国人観光客が居なくなった観光地

新型コロナウイルスの影響で、未だ海外から日本への入国制限が続いています。これまで、日本の観光地では東京オリンピックを見据えた「インバウンド需要」をターゲットに、さまざまな取り組みが行われてきました。

日本各地の観光案内所には外国語通訳が配属され、各国の言語に対応したパンフレットを作成。有名観光地になると、観光案内の看板などを多言語化するなど、国や地方自治体が総力を挙げて観光地の整備を行い、インバウンド誘致を行っていました。

しかし、2020年からの新型コロナウイルスの影響により、インバウンドをはじめ、国内観光も大きな打撃を受けることになりました。特に、観光産業を主軸にしている地域においては、その損害は計り知れません。

地方で起こるさまざまな動き

中国人が多く訪れる富士山周辺で観光通訳案内士をしている知人に話を聞くと、いずれの観光施設も開店休業状態で、これまで観光客向けに展開していた店舗などは、業務を転換するなど、非常に苦境にあるようです。しかし、暗い話題ばかりではありません。近い将来に来るであろう出入国の自由化に向けて、現地ではさまざまな取り組みが行われていました。

観光地周辺では、現在、アフターコロナに向けた観光研修や、安全なツアーコースの策定が積極的に行われています。私が所属している地元の通訳案内士のグループでも、Zoomを活用しての研修や、セミナーが実施され、アフターコロナのインバウンド復活に向けての準備が進んでいます。日本に住んでいる中国人同士の交流も盛んで、オンラインではそれぞれの地域の情報が飛び交っています。

また、個人のみならず、地方自治体などからも積極的な情報発信が行われています。YouTubeやInstagramが開設され、コンテンツも充実。さらには、地域の飲食店のメニューの翻訳や、観光地案内看板の翻訳など、これまで目を向けてこなかった所まで通訳や翻訳を行い、新型コロナウイルス収束後のインバウンド需要に向けて万全の体制で受け入れ体制を構築するなど、さまざまな動きがあるようです。

厳しい冬の後には花咲く春が来る

新型コロナウイルスの影響で、2020年から現在まで、通訳案内士にとっては非常に厳しい時期になりました。しかし、こうした時間のおかげで、これまで目が行かなかった部分にスポットが当たるようになったのも事実です。今は耐える時期かもしれませんが、こうした準備の積み重ねがアフターコロナのインバウンド需要に大きく影響することでしょう。

日本はもうすぐ桜の季節です。長い冬に耐えていた草花が芽吹く春のように、日本の観光産業にも明るい季節が来るのは、そう遠くないかもしれません。

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執筆:さんせん
【プロフィール】
北京と上海の2都市で日本人向けの広告雑誌の編集者として、約5年間、特集の企画や取材、編集を担当。得意分野はグルメ、トレンド、エンタメ。現在は山梨県在住で、山梨県関係のツーリズム・グルメに関するライティングや取材中心に活動中。
ツイッター:https://twitter.com/sansen_koshu

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