【コラム】中国の介護市場は長期ビジョンで臨むことが重要

少子高齢化が世界的な社会問題になりつつある昨今ですが、日本はそれ以前から少子高齢化社会が始まっていました。

この記事では、中国滞在経験のあるライターBILLIKENが、少子高齢化社会の先進国である日本の介護市場および介護ロボット市場のこれからについて考察します。

日本ならではの生活に密着した技術

日本は、世界に先駆けて少子高齢化社会に突入しました。必然的に介護市場も大きく広がりを見せ、現在ではサービス面だけではなく、ロボティクス市場、いわゆる介護ロボットの開発についても世界でも有数の先進国と言えるでしょう。

例えば、病院や介護施設における配膳を行うロボット及び配膳の統合システムは、標準的に使用されつつあります。さらに、ゆくゆくの老々介護を視野に入れ、介護をアシストするロボットスーツ技術など、介護ロボットの進化は目覚ましいものがあります。また、介護用ベッドの技術進歩も見逃すことができません。日本では、ロボティクスだけではなく、ベッドや車椅子が共同利用できるようなシステムや、高齢者が自立可能になる補助機能を持ったAI家電など、高齢化社会を見据えた技術が発展しています。日本の介護および介護ロボット市場では、単純なロボット技術だけでなく、介護に関する生活導線をセットにすることで、より豊かで便利な生活、いわば高齢者が人間らしい生活をすることに重きを置いて日々開発を行っています。そして、こうした動きは世界でも徐々に広がっていくのではないかと考えられています。

長期的なビジネスビジョンが重要

世界の中でも、特に中国などは日本と同じような家族構成で、急速に少子高齢化が進んでいます。そのため、これからは日本同様にできるだけ高齢者自身が自立して生活ができる介護サービスに注目が集まることでしょう。また、介護サービスを提供する事業者にとっても、介護アシストロボットなどの技術の導入により、サービスの向上や長期ビジョンを持つことができるため、今よりもより効果的なビジネス展開が可能となるでしょう。また、これは日本にとっても大きなビジネスチャンスでもあります。日本は、介護市場において世界でもトップランナーです。それに加え、現在の急速な円安を追い風にして、中国へ技術だけではなくサービスも一緒に売り込むことができれば、ビジネスが発展するだけでなく、中国社会にも大きく貢献することができるでしょう。

また、介護市場においては、これまでの家電製品のようにコモディティ化して日本のメリットが生かせなくなるビジネスモデルとは異なり、人間が関与して人間らしいサービスを提供するという点において、中国でも大きな市場を展開することができるでしょう。日本としては、この円安を機に、中国で積極的にビジネス展開を目指して欲しいと考えます。しかし、単純に営利目的だけで介護市場に切り込むのは、非常に難しいと考えられます。その根底には、中国社会を豊かにする使命を持ち、介護とロボット、そして人間らしいサービスと信念を持った企業が進出することで、日中両国の介護市場がより大きく発展するかもしれません。

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執筆:BILLIKEN

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